アジア - 太平洋地域におけるクラウドの状況 - 第 - 部
この記事はThe state of the APAC cloud – Part 1(https://devcentral.f5.com/s/articles/the-state-of-the-apac-cloud-part-1)の抄訳版です
このブログポストはアジア・太平洋地域のクラウドに関する一連の記事の第一部です。アジア・太平洋地区のクラウドの状況、どのように使用されているか、利用を妨げているもの、イノベーションのためのクラウドの活用方法等が含まれています。
アジア・太平洋地域のクラウド環境は、欧米と比較すると採用数と成熟度に欠けてはいるものの、急速に成長しています。International Data Corporation(IDC)によるエンドユーザーを対象にした5度目の年間調査によると、同地域のCIO(最高情報責任者)たちは公共クラウドサービスとテクノロジーにおける支出を2013年に50%の増加となる$75億にまで増加させたと答えています。
それでは、企業はクラウドへの移行にもう不安を抱えていないのでしょうか。その答えは、YesでもありNoでもあります。
正確に言うと、アジア地域の企業は、クラウドに対してさほど不安を抱えてはいません。そうは言っても、コントロールを失うこと、セキュリティに関する恐れといった誤解に由来するものは、未だ存在しています。
一番大きな不安要素は、セキュリティと統合に関する問題です。
セキュリティ ― クラウドにする恐れを取り除く
実際のところ、セキュリティはクラウドに合わせて考え直さなければなりません。ファイヤーウォールを使って、社内インフラを守るということは、もはや賢明なことではありません。セキュリティは、アプリケーション中心の視点から再検討される必要があります。例えば、ウェブアプリケーションファイヤーウォールは、従来のファイヤーウォールには不可能であった方法でウェブサービスを保護することが可能です。それに加え、BIG-IP Application Security Managerのようなソリューションを使うことによって、アプリケーションが確実に保護され、自社運用のシステムとクラウドインフラの両方に最適化させることも可能になります。サービス提供者にとっては、事業の運営と評判がかかっているために、最高のセキュリティを提供することが一番のモチベーションになっていますし、その分野に特化した専門化を雇い、特別なツールの開発に投資しています。
近年、クラウドの出現により、企業のインフラはさらにアプリケーション中心へと変化しました。これが意味することは、クラウドインフラを設計したり、クラウドサービスに申し込む際に、マルチレイヤ攻撃を考慮する必要があるということです。単純なDDoS攻撃が、企業に多大な損害をもたらしかねません。
基本的に、クラウドへの移行についての企業の大きな不安要素は、コントロールを失うことにあります。しかし、クラウドサービス提供者は、グローバルな知識や最も適切な方法、専門知識を必要な時に提供してくれます。専門家の手にクラウド運営をまかせてしまえば、企業のITチームは、さらにコアな部分に集中し、価値創造の業務に集中することができます。
統合 ― 課題を克服する
クラウドへの移行は、統合と運営が必要となります。一つの企業アプリケーションのみを利用している環境においては、これは単純なことですが、現実には、多くの企業が、数年にわたり数多くの異なるアプリケーションとサービスを従業員や顧客用に付けたしてきたために、混在した環境にあり、そのためにデータセンターをクラウドへ移行することが難しくなっています。
当然、アジア企業の中にも、すでに上記した不安要素の払拭に取り組み、クラウドへ移行している企業もあります。IDCは最大の公共ITクラウドサービス市場である米国におけるシェアは2013年の56.9%から2017年の43.9%へ下がると見込んでいるものの、西ヨーロッパ、ラテンアメリカ諸国と同様にアジア・太平洋地域においては、ITクラウドサービス市場のシェアが高まると見込んでいます。そうはいっても、クラウドを採用する企業が米国と同様の数に追いつくには、まだまだ時間がかかりそうです。